タイヤのはみ出しは車検に通る?10mm未満の条件と確認ポイント

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タイヤやホイールを交換したあとに、「フェンダーから少し出ているように見えるけれど、このまま車検に通るのだろうか」と不安になる方は多いです。

結論からお伝えすると、タイヤやホイールなどの回転部分は、原則としてフェンダーなどの車体から外側に突出しないことが求められます。ただし、一定の条件を満たす乗用車では、確認範囲の最外側がタイヤとなる部分に限り、外側への突出量が10mm未満であれば「突出していないもの」とみなされる規定があります。

注意したいのは、「10mmまでなら何が出ても大丈夫」という意味ではないことです。この記事では、車検で確認される範囲や基準、タイヤとホイールで扱いが異なる理由、自分で確認するときのポイント、不安なときの対処方法を、公的資料をもとに分かりやすく解説します。

この記事でわかること
  • タイヤのはみ出しに関する車検の基本的な考え方
  • 10mm未満の突出が認められる条件
  • タイヤとホイールで扱いが異なる理由
  • 車検で確認される前方30度・後方50度の範囲
  • 自分で確認するときのポイントと限界
  • 不安な場合に事前確認を依頼する方法
目次

タイヤのはみ出しは条件によって車検に通る可能性がある

車検では、タイヤやホイールなどの回転部分が、フェンダーなどの車体から外側に突出していないかが確認されます。原則は「突出しないこと」です。そのうえで、一定の条件を満たす乗用車については、確認範囲の最外側がタイヤとなる部分に限り、外側への突出量が10mm未満であれば突出していないものとみなす規定があります。

ただし、この扱いには対象となる車両や範囲の条件があり、10mm未満なら無条件で合格するわけではありません。また、ホイールやホイールナットなどタイヤ以外の部分が出ている場合は、同じ扱いになるとは限りません。最終的には、実際の車両の状態を見て判断されます。

美並さん

タイヤなら10mmまで出ていても大丈夫、ということですか?

ひろたか

無条件に大丈夫という意味ではありません。規定上は「10mm未満」で、対象になる車や確認範囲が決まっています。しかも対象はあくまで「最外側がタイヤとなる部分」なので、ホイールやナットの突出は別に確認する必要があります。

タイヤのはみ出しに関係する保安基準

タイヤのはみ出しに基準が設けられているのは、見た目の問題ではなく、安全のためです。回転しているタイヤやホイールが車体の外に出ていると、歩行者や自転車、ほかの車に接触したときの危険が大きくなります。そのため、車体の外形に関するルールとして、回転部分の突出が制限されています。

回転部分が車体から突出しないことが基本

車体の外形は、鋭い突起を持っていたり、回転部分が突出していたりするなど、ほかの交通の安全を妨げるおそれのある形状であってはならないとされています。これは国土交通省「道路運送車両の保安基準」の第18条(車枠及び車体)に基づくもので、具体的な内容は国土交通省「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 第178条」に定められています。

ここでいう回転部分には、タイヤだけでなく、ホイール、ホイールキャップなども含まれます。タイヤが収まっていても、ホイール側が出ていれば確認の対象になるという点は、最初に押さえておきたいポイントです。

確認されるのは前方30度・後方50度の範囲

突出の確認は、タイヤの真上だけを見るわけではありません。車を直進姿勢にした状態で、車軸の中心を基準にします。車軸中心を含む垂直な面から、前方に30度、後方に50度傾けた2つの面で挟まれた範囲が確認対象です。つまり、タイヤの真上を中心に、斜め前と斜め後ろまで含めた扇形の範囲で、フェンダーなどより外側に出ていないかを見ることになります。

真上から見て収まっていても、斜め前や斜め後ろの角度で見ると出ている、というケースがあるため、この範囲の考え方はとても重要です。

「10mm未満」とみなされるタイヤ部分がある

そのうえで、専ら乗用の用に供する自動車(乗車定員10人以上の自動車、二輪自動車などを除く)については、前方30度・後方50度の確認範囲のうち、最外側がタイヤとなる部分に限り、外側方向への突出量が10mm未満であれば「外側方向に突出していないもの」とみなす規定があります。

この内容は、自動車技術総合機構「審査事務規程」のうち、審査事務規程7-28・8-28「車枠及び車体」に記載されています。

注意したいのは、規定の表現が「10mm以下」ではなく「10mm未満」であることです。10mmちょうどは含まれません。また、この扱いはすべての車両やすべての部品に一律に適用されるものではなく、対象車両と最外側がタイヤとなる部分という条件付きの規定です。

ホイールやホイールナットまで10mm出してよいわけではない

10mm未満の扱いは、あくまで確認範囲の最外側が「タイヤ」となる部分に関するものです。次のような部分が最外側になって突出している場合は、タイヤと同じ扱いになるとは限りません。

  • ホイールのリム(外周の縁の部分)
  • ホイールのスポーク(中心から外周へ伸びる部分)
  • ホイールナット
  • センターキャップやホイールキャップ
  • スペーサーによって外側へ移動したホイール

「タイヤもホイールも10mmまでなら大丈夫」という理解は誤りです。タイヤ部分とホイール部分では扱いが異なるため、外側に見えている部分がどちらなのかを区別して考える必要があります。

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タイヤが車検に通らない可能性があるケース

ここでは、はみ出しに関して車検で不適合と判断される可能性があるケースを整理します。当てはまりそうな項目がある場合は、車検前に確認しておくと安心です。

タイヤの突出量が10mm未満に収まっていない

「10mm程度なら問題ないだろう」と自己判断するのは避けたいところです。規定上は10mm未満であり、10mmちょうども対象外です。さらに、自宅での測定には誤差がつきもので、空気圧、荷重、サスペンションの状態などによって測定結果が変わる可能性もあります。ぎりぎりの数値である場合ほど、実車での確認が必要です。

ホイールやホイールナットがフェンダーより外側に出ている

タイヤは収まっていても、金属製のホイールのリムやスポーク、ホイールナットなどが最外側になって出ているケースがあります。この場合、タイヤ部分に関する10mm未満の扱いをそのまま当てはめることはできず、不適合と判断される可能性があります。

前方30度・後方50度の範囲で突出している

タイヤは丸いため、真上では収まっていても、斜め前や斜め後ろの角度ではフェンダーより外側に出ていることがあります。フェンダーの形状によっては、真上よりも前後の位置のほうが厳しくなる車もあります。確認範囲全体で判断されることを忘れないようにしましょう。

タイヤやホイールの組み合わせが車両に適していない

タイヤの位置は、さまざまな要素の組み合わせで決まります。タイヤ幅(タイヤの断面の幅)、ホイール幅、インセット(ホイールの取り付け面が中心からどれだけずれているかを示す数値。以前は「オフセット」と呼ばれていましたが、現在はインセットという表記が一般的です)、ホイールスペーサーの有無、車高、アライメント(タイヤの取り付け角度の調整状態)などが影響します。

同じ車種でも個体差や左右差があるため、「同じサイズを付けている人が通ったから自分も大丈夫」とは言い切れません。架装に関係する仕事をしている立場から見ると、部品単体のスペックではなく、実際に取り付けた状態で確認することが重要です。

タイヤが車体や足回りに接触する可能性がある

フェンダー内に収まっていても、ハンドルを切ったときや段差を通過したときに、タイヤがフェンダーの内側や足回りの部品に接触する状態は、安全上の別の問題があります。はみ出しの基準を満たしていれば安全というわけではなく、干渉がないかも含めて確認が必要です。

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タイヤのはみ出しを自分で確認する方法

自宅でできる確認は、あくまで事前確認の目安です。車検への適合を保証する方法ではないことを前提に、状態を把握するために活用してください。

平坦な場所に車を止めてタイヤを直進状態にする

まずは、傾斜や段差のない平坦で安全な場所に車を止め、ハンドルをまっすぐにしてタイヤを直進状態にします。片側だけでなく左右両側を確認し、トランクに重い荷物を積んだままなど、不自然な状態は避けてください。交通量のある場所での確認は危険なので行わないようにしましょう。

フェンダーから垂直方向に確認する

簡易的な方法として、フェンダーの縁からおもりを付けた糸(下げ振り)を垂らし、タイヤとの位置関係を見る方法があります。定規や差し金を垂直に当てて確認する方法もあります。

ただし、次の点に注意してください。簡易測定には誤差があり、フェンダーの形状によっては垂直に測ること自体が難しい車もあります。柔らかいメジャーを当てるだけでは正確に測れません。また、真上だけでなく前方30度・後方50度の範囲を意識して、斜め方向からも見ておく必要があります。

簡易測定で内側に見えたとしても、車検合格を保証するものではない点は忘れないでください。なお、ジャッキアップして車体の下に潜り込むような確認は危険なので行わないでください。

タイヤとホイールのどちらが最外側か確認する

もうひとつ大切なのが、いちばん外側に出ている部分が「タイヤ」なのか「ホイール」なのかの確認です。

タイヤのサイドウォール(側面)、リムガード(ホイールを縁石などから守るための出っ張り)、タイヤの文字や模様、ホイールのリム、スポーク、ホイールナット、センターキャップなどを見比べて、どこが最外側になっているかを確認しましょう。外側に見える部分がタイヤかホイールかで、考え方が変わってきます。

美並さん

真上から見てフェンダーの内側に収まっていれば大丈夫ですか?

ひろたか

真上だけでは判断できません。車検では車軸中心から前方30度・後方50度の範囲を確認するので、斜め前や斜め後ろ側でも出ていないかを見る必要があります。

このように、確認は「真上」と「斜め方向」の両方が必要です。真上で収まっていても、フェンダーの形状によっては斜め方向で突出しているケースがあるため、必ず前後の角度からも見ておきましょう。

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タイヤがはみ出す主な原因

タイヤがはみ出して見える場合、原因は主に次のようなものです。原因が分かれば、対処方法も選びやすくなります。

純正より幅の広いタイヤを装着している

タイヤ幅を太くすると、タイヤは外側と内側の両方向に広がる可能性があります。外側に出ればはみ出しの問題に、内側に広がれば足回りとの干渉の問題につながることがあります。

同じホイールのままタイヤだけ太くした場合でも、位置関係は変わる点に注意が必要です。

ホイールの幅やインセットが合っていない

ホイール幅が広くなったり、インセットの数値が変わったりすると、タイヤとホイール全体の位置が外側や内側へ移動します。一般的に、インセットの数値が小さくなる方向へ変えるとホイールは外側に寄りやすくなりますが、ホイール幅やタイヤサイズとの組み合わせによって実際の位置は変わるため、数値だけで単純に判断はできません。

車両の仕様や法規を確認する業務でも、複数の条件を組み合わせて確認することが基本です。

ホイールスペーサーを取り付けている

ホイールスペーサーは、ハブとホイールの間に挟む板状の部品です。スペーサーの厚みの分だけ、ホイールとタイヤ全体が外側へ移動します。もともとフェンダーとの隙間が少ない車では、数ミリのスペーサーでもはみ出しにつながることがあります。スペーサー装着車の車検については、こちらの記事で詳しく解説しています。

ホイールスペーサー装着車は車検に通る?(準備中)

車高やアライメントを変更している

車高を変えたり、キャンバー角(タイヤを正面から見たときの傾き)が変わったりすると、タイヤ上部の位置が内外に動き、見た目のはみ出し具合も変わります。ただし、キャンバー角を大きく付けてはみ出しを避けるような改造はおすすめできません。

過度なキャンバーは、タイヤの偏摩耗や接地状態の悪化など、別の問題につながる可能性があります。

タイヤがはみ出しているときの対処方法

はみ出しの可能性がある場合の対処方法を、確実性の高いものから順に紹介します。

純正サイズや適合するサイズに戻す

最も確実性が高いのは、純正サイズ、または車両に適合するサイズのタイヤ・ホイールに戻すことです。ただし、純正に戻せば必ず車検に通ると断定できるわけではありません。フェンダーの変形や足回りの状態など、車両側の状態も含めて確認する必要があります。

ホイールスペーサーを外す

スペーサーを装着している場合は、取り外すことでタイヤの位置を内側へ戻せる可能性があります。取り外した後は、ホイールナットの締め付け状態や、ハブ・ボルトなどの部品の状態を専門店で確認してもらうと安心です。

タイヤ・ホイールのサイズやインセットを見直す

今のタイヤ・ホイールを活かしたい場合や、交換を検討する場合は、タイヤ専門店などに相談しましょう。その際は、車種、型式、年式、グレードを伝えると、適合するサイズやインセットを確認してもらいやすくなります。

フェンダーモールやオーバーフェンダーは安易に取り付けない

フェンダーモールなどを貼り付けて突出を隠す方法を見かけることがありますが、一時的に貼り付ければ必ず車検に通るというものではありません。

取り付け方法や強度が確認される可能性があり、部品の厚みによっては車幅の変更として扱われる場合や、形状によっては外装に関する別の保安基準が関係する場合もあります。構造等変更検査や記載変更などの手続きが必要になるケースもあるため、取り付けを検討する場合は必ず事前に専門店や検査機関へ確認してください。

車検を受ける店舗に事前確認する

自分で判断できない場合は、車検を依頼する予定の店舗や、認証工場・指定工場に実車を見てもらうのが確実です。写真だけでは正確に判断できない場合があるため、できるだけ実車での確認をおすすめします。

その際、タイヤとホイールのサイズや品番を伝えられるようにしておくと話がスムーズです。純正部品が手元に残っている場合は、必要に応じて戻せるよう準備しておくと安心です。確認の依頼方法については、こちらの記事も参考にしてください。

車検に通るか分からないときの確認方法

タイヤのはみ出しが不安なら車検前に見積もりを取ろう

ここまで紹介したとおり、自宅での測定はあくまで目安で、はみ出しの適否を自分だけで断定するのは難しいものです。また、車検ではタイヤ以外にも灯火類やブレーキなど多くの項目が確認されます。車検当日に不適合が見つかると、その場での交換や再検査が必要になり、時間も費用も余計にかかってしまう可能性があります。

そこでおすすめしたいのが、車検前に実車を見てもらい、見積もりを取っておくことです。事前に確認してもらえば、タイヤやホイールの交換が必要かどうかを相談したうえで車検に臨めます。複数の店舗の見積もりを比較すれば、整備内容や費用を確認してから依頼先を決められるので、初めての方でも安心です。近くの車検店舗を探して見積もりを確認することから始めてみてください。

タイヤのはみ出しと車検に関するよくある質問

タイヤは10mmまでなら車検に通りますか?

規定上は「10mmまで」「10mm以下」ではなく「10mm未満」とされており、10mmちょうどは含まれません。また、対象となる車両、前方30度・後方50度の確認範囲、最外側がタイヤとなる部分であることなど、複数の条件があるため、数値だけで合否を判断することはできません。

ホイールが少し出ているだけでも車検に通りませんか?

タイヤ部分に関する10mm未満の扱いを、そのままホイールに当てはめることはできません。ホイールのリムやナットなどが最外側になって突出している場合は、不適合と判断される可能性があります。わずかな突出でも自己判断せず、実車を見てもらうことをおすすめします。

タイヤの文字やリムガードが出ていても問題ありませんか?

タイヤのサイドウォールにある文字や記号、リムガードなどの扱いは、タイヤの構造、突出量、車両の条件などによって異なります。無条件に問題ないとは言い切れないため、気になる場合は公的資料の条件を踏まえて、検査機関や整備工場に確認するのが確実です。

フェンダーの真上に収まっていれば大丈夫ですか?

真上だけでは判断できません。車検では、車軸中心から前方30度・後方50度の範囲が確認されます。真上で収まっていても、斜め前や斜め後ろ側で突出している場合があるため、範囲全体での確認が必要です。

車検のときだけ純正タイヤに戻してもよいですか?

車検の際に基準へ適合する状態にすることはもちろん必要ですが、自動車は車検のとき以外も、保安基準に適合した状態で使用する必要があります。「車検のときだけ戻せば、普段ははみ出したままでもよい」というものではないため、日常的に使用する状態そのものを適合させておくことが大切です。

ディーラーと車検専門店で判断は変わりますか?

保安基準そのものが店舗ごとに変わることはありません。ただし、店舗ごとの社内基準、測定結果、部品や車両の状態の確認方法などによって、入庫や作業を受けてもらえるかどうかの対応が異なる場合はあります。依頼したい店舗があるなら、その店舗に直接確認するのが確実です。

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記事のポイント

  • タイヤやホイールなどの回転部分は、原則としてフェンダーなどの車体から突出しないことが求められる
  • 確認範囲は、車軸中心から前方30度・後方50度の範囲で、真上だけを見るわけではない
  • 一定の条件を満たす乗用車では、確認範囲の最外側がタイヤとなる部分に限り、突出量が10mm未満なら突出していないものとみなされる場合がある
  • 規定は「10mm以下」ではなく「10mm未満」で、10mmちょうどは含まれない
  • ホイールやホイールナットなどに、タイヤと同じ10mm未満の扱いをそのまま当てはめることはできない
  • 自宅での測定はあくまで目安で、車検への適合を保証するものではない
  • 判断が難しい場合は、車検前に店舗や整備工場で実車を確認してもらうのが安全

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参考資料

【免責事項】本記事は、タイヤやホイールのはみ出しに関する一般的な基準と確認方法を紹介するものです。個別車両の車検適合性や安全性を保証するものではありません。車種、製作時期、タイヤやホイールの構造、取り付け状態などによって判断が異なるため、最終的には検査機関、認証工場、指定工場、タイヤ・ホイール専門店などにご確認ください。

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