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車検が近づいているのに、メーターパネルの警告灯が消えない。車は普通に走るけれど、このまま車検を受けて大丈夫なのか。そんな不安を感じていないでしょうか。
一度点灯した警告灯がいつの間にか消えていて、「もう問題ないのかな」と迷っている方もいるかもしれません。修理費がいくらかかるか分からず、整備工場へ持ち込むかどうか決めかねている方も多いはずです。
結論からお伝えすると、警告灯はすべて同じ扱いではありません。大切なのは「どの警告灯が」「どのような状態で」点灯しているかを確認することです。この記事では、車検と警告灯の関係を公的資料に基づいて整理します。
- 警告灯が点灯している場合の車検上の扱い
- 車検時に確認される5種類の異常表示
- 始動直後の一時点灯と異常による継続点灯の違い
- 警告灯の目視確認とOBD検査の違い
- 警告灯が消えない場合の対処法
警告灯が点灯していると車検に通らない?

警告灯が点灯している場合、種類や点灯状態によっては、そのまま車検の審査を受けられない可能性があります。ただし、「警告灯が1つでも点いていれば車検はダメ」という単純な話ではありません。
自動車技術総合機構の「審査事務規程 第1章」では、車検の審査を受けるために必要な「審査時車両状態」が定められています。この中で、原動機(エンジン)が作動している状態のとき、次の異常表示が継続して点灯または点滅していないことが要件として示されています。
- 前方のエアバッグ
- 側方のエアバッグ
- 制動装置(ブレーキ)
- アンチロックブレーキシステム(ABS)
- 原動機(エンジン)
つまり、これらの異常表示がエンジン始動後も点灯・点滅し続けている場合、「審査時車両状態」を満たさず、検査コースで審査を進めてもらえない可能性があるということです。
美並さん警告灯が1つでも点いていたら、全部車検に通らないということですか?



すべて同じ扱いではありません。ただし、エンジンやABS、エアバッグなど、点灯した状態では審査に進めない可能性がある警告灯があります。
ここで押さえておきたいのは、「審査を受けられない」と「検査の結果、基準不適合で不合格になる」は別の話だという点です。上記5種類の異常表示が継続点灯していると、そもそも審査に入れない扱いになる可能性があります。一方で、警告灯とは関係なく、検査を受けた結果として基準不適合になるケースもあります。
また、エンジン始動直後に自己診断のため一時的に点灯し、その後消えるものは、継続点灯には含まれません。警告灯の表示内容は車種や年式、装備によっても異なるため、まずは自分の車の状態を正しく確認することが出発点になります。
車検時に確認される5種類の警告灯
審査事務規程に示されている5種類の異常表示を、一般的な呼び方で整理すると次のようになります。なお、警告灯の点灯だけで故障部品を特定することはできません。表の「主に知らせる内容」はあくまで一般的な説明です。
| 警告灯の種類 | 主に知らせる内容 | 車検前の対応 |
|---|---|---|
| エンジン警告灯(原動機) | エンジンや排出ガス制御などに関係する異常を知らせる場合がある | 故障診断を受ける |
| ABS警告灯 | アンチロックブレーキシステムに関係する異常を知らせる | 整備工場で点検を受ける |
| ブレーキ警告灯(制動装置) | ブレーキ液量など制動装置に関係する異常を知らせる場合がある | 早めに点検を受ける |
| 前方エアバッグ警告灯 | エアバッグや関連装置に異常が記録されている可能性がある | 原因の確認を依頼する |
| 側方エアバッグ警告灯 | 側面衝突用エアバッグなどに関係する異常を知らせる場合がある | 原因の確認を依頼する |
エンジン警告灯
エンジン警告灯は、エンジンの形をした表示が一般的です。原動機や排出ガス関連の制御異常など、複数の原因が考えられ、点灯しているという事実だけで原因を断定することはできません。
同じ警告灯でも、車種や年式、制御方式によって原因は異なります。車検前に整備工場で故障診断を受け、原因を確認しておくことが望ましい対応です。点滅している場合や、走行中の異常を伴う場合は、無理に走行を続けないでください。
ABS警告灯
ABS警告灯は、アンチロックブレーキシステムの異常を知らせる表示で、通常のブレーキ警告灯とは意味が異なる場合があります。ABSに異常があっても、通常のブレーキ操作では制動できるように見えることがあります。
しかし、「普通に止まれるから問題ない」と自己判断することはできません。急ブレーキ時や滑りやすい路面でABSが正常に働かない可能性があるため、整備工場で診断を受ける必要があります。
ブレーキ警告灯
ブレーキ警告灯には、駐車ブレーキが作動していることを知らせる表示と、制動装置の異常を知らせる表示があります。まずは駐車ブレーキを完全に解除して、表示が消えるかどうかを確認してください。
駐車ブレーキを解除しても消灯しない場合は注意が必要です。ブレーキ液量の不足や制動装置に関係する異常など、複数の可能性があります。表示の色だけで故障内容を断定することはできませんが、ブレーキの効きに異常を感じる場合は運転を続けず、安全な場所に停車して相談してください。
エアバッグ警告灯
審査事務規程では、前方エアバッグと側方エアバッグの異常表示が示されています。エアバッグ警告灯が点灯している場合、エアバッグ本体だけでなく、センサーや配線、シートベルト関連装置などが関係している可能性もあります。
原因を自己判断することはできません。また、表示だけを消しても、異常の原因が残っていれば意味がありません。万一の事故のときに乗員を保護する装置に関わる表示のため、原因の確認を優先してください。
エンジン始動直後の点灯は異常とは限らない



エンジンをかける前は、いろいろなランプが点灯しますよね。それも故障ですか?



す始動時の自己診断で一時的に点灯するものもあります。エンジン始動後に消えるか、点灯が続くかを確認することが重要です。
イグニッションをONにした直後は、多くの警告灯が一斉に点灯します。これはランプ切れがないかなどを確認するための、システムの自己診断による表示である場合があります。
審査事務規程 第1章でも、始動時の自己診断による点灯・点滅であることが明らかなものは、「継続して点灯又は点滅」しているものには含まれない扱いが示されています。つまり、エンジン始動後に正常に消灯すれば、審査時車両状態の問題となる継続点灯とは区別されます。
ただし、消灯までの時間や正常な表示のパターンは車種によって異なります。「始動後どのくらいで消えるのが正常なのか」は、車両の取扱説明書で確認してください。
すべての警告灯が同じ理由で車検に影響するわけではない
メーターパネルに表示されるランプには、故障を知らせる「警告灯」のほかに、機能の作動状態を知らせる「表示灯」もあります。たとえば、次のような表示です。
- シートベルト非装着の表示
- 半ドアの表示
- 燃料残量の表示
- タイヤ空気圧の警告表示
- 横滑り防止装置や衝突被害軽減ブレーキなど運転支援機能の表示
これらの中には、故障ではなく「機能が作動していること」や「運転者が任意で機能を停止したこと」を知らせるだけの表示もあります。車種や年式によって表示の意味は異なるため、「このランプなら車検に通る・通らない」と一律に断定することはできません。
大切なのは、自分の車のどの表示が「異常を知らせる警告」なのかを、取扱説明書で確認することです。判断に迷う表示がある場合は、整備工場に相談してください。判断に自信がない方は、車検に通るか分からないときの確認方法も参考にしてください。
対象車では警告灯とは別にOBD検査も行われる
近年の車検では、メーターパネルの警告灯を目視で確認するだけでなく、車両のコンピューターに記録された故障情報を直接確認する「OBD検査」も始まっています。OBDとは、車載式故障診断装置(On-Board Diagnostics)のことです。
国土交通省のOBD検査に関する案内によると、対象車では検査用スキャンツールを車両のコンピューターに接続し、電子制御装置に記録された特定の故障情報(特定DTC)の有無を確認します。国産車は2024年10月から、輸入車は2025年10月からOBD検査が始まっています。
対象となるのは、国産車では2021年10月1日以降、輸入車では2022年10月1日以降の新型車(フルモデルチェンジ車)が基本条件です。ただし、すべての車が対象になるわけではなく、対象車には車検証に「OBD検査対象」と記載されます。初回登録からの経過期間などの個別条件もあるため、詳しくは自動車技術総合機構のOBD検査ポータルや車検証の記載で確認してください。
注意したいのは、「メーターパネルの警告灯の確認」と「コンピューターに記録された故障情報の確認」は同じものではないという点です。警告灯が点灯していなくても、電子装置に故障情報が記録されている可能性はあります。反対に、警告灯が消えていることが、OBD検査の合格を保証するわけでもありません。
警告灯が点灯したときに確認する手順
警告灯が点灯したときは、慌てずに次の順番で確認してください。
- 安全な場所に停車する
- 警告灯の色、形、点灯か点滅かを確認する
- 異音、振動、加速不良、ブレーキの違和感などがないか確認する
- 車両の取扱説明書で表示の意味を確認する
- 車検日まで待たず、整備工場へ相談する
- 必要に応じて故障診断や車検前の見積もりを依頼する
なお、走行中にメーターを撮影したり、高温になったエンジンや冷却系統に触れたりする行為は危険です。また、バッテリー端子を外して表示を消す、警告灯部分をテープで隠すといった対応は、異常の原因を解決するものではないため行わないでください。
赤色の警告灯や走行異常がある場合
赤色の警告表示は、一般的に早急な確認が必要なものが多いとされています。ただし、色だけで緊急度や原因を断定することはできません。
ブレーキの効き、油圧、水温などに異常が疑われる場合は、まず安全な場所に停車してください。状況によっては自走せず、販売店、整備工場、ロードサービスへ相談すべき場合があります。車種ごとの正確な対応は、取扱説明書で確認してください。
黄色やオレンジ色でも放置しない
黄色やオレンジ色の警告表示は、直ちに走行不能を意味しない場合もあります。しかし、だからといって車検まで放置してよいとは限りません。
走行状態に異常を感じなくても、車両側には故障情報が記録されている可能性があります。早めに診断を受けることが、修理内容や費用を把握することにつながります。
警告灯を消すだけでは車検対策にならない



警告灯だけ消せれば、車検は受けられますか?



表示だけを消しても、原因が残っていれば再点灯する可能性があります。車検を受ける前に、故障診断で原因を確認しましょう。
警告灯は、故障や異常を運転者に知らせるための表示です。原因を直さずに表示だけを消しても、走行するうちに再び点灯する可能性があります。故障コードを消去しても、車両が再び異常を検知すれば、走行後に再記録される場合があります。
さらに、OBD検査の対象車では、電子装置の故障情報そのものが検査の対象になる場合があります。警告灯を隠したり、表示機能を取り外したりする方法は論外です。車検を通すことだけを目的にするのではなく、安全に使用できる状態にすることが本来の目的だと考えてください。
車検前に整備工場へ相談するときの伝え方
車両の仕様を確認する業務では、表示の意味だけでなく、どのような条件で点灯したかを確認することが重要です。整備工場へ相談するときも、次の情報を整理して伝えると、診断がスムーズに進みやすくなります。
- 警告灯が点灯した日時ときっかけ
- 始動直後だけか、走行中も継続するか
- 点灯か点滅か
- どのような形や色の表示か
- 異音、振動、加速不良などを伴うか
- 一度消えたことがあるか
- 車検満了日
- 最近行った修理やバッテリー交換の有無
電話やWeb予約では、次のように伝えると要点が伝わります。
「車検が近いのですが、エンジン始動後もエンジン警告灯が消えません。走行中の大きな異常は感じませんが、車検前に故障診断と見積もりをお願いできますか」
依頼する場所によって費用や対応範囲は異なります。依頼先選びに迷う場合は、車検を受けられる場所の違いも参考にしてください。
警告灯が点灯しているなら車検前の見積もりで確認しよう
ここまで見てきたとおり、警告灯の原因は表示だけでは判断できません。修理の内容や費用は、故障箇所、車種、必要な部品によって大きく異なります。
車検当日に初めて異常を指摘されると、日程にも予算にも余裕がなくなってしまいます。事前に点検と見積もりを依頼しておけば、必要な整備内容と費用を確認したうえで、落ち着いて判断できます。見積書の見方は車検費用の内訳と見積書の確認方法で解説しています。
もし修理費が高額になりそうな場合は、車検を通すか乗り換えるかを検討する時間も作れます。以下は、事前見積もりに対応している車検店舗を探せる広告リンクです。複数の選択肢を比較する手段として活用してください。
警告灯と車検に関するよくある質問
エンジン警告灯が一度点灯して消えた場合は車検に通りますか?
現在消灯していれば、継続点灯の状態には当たりません。
ただし、一度点灯したということは、何らかの異常が検知された可能性があり、車両側に故障情報が記録されている場合もあります。再点灯する可能性も否定できないため、「消えたから問題ない」と判断せず、車検前に故障診断を受けておくことをおすすめします。
エンジンをかける前に警告灯が点灯するのは故障ですか?
イグニッションON直後の一斉点灯は、自己診断による表示である場合があり、故障とは限りません。エンジン始動後に正常に消灯するかどうかを確認してください。正常な点灯パターンは車種によって異なるため、取扱説明書で確認してください。
ABS警告灯が点灯していても通常のブレーキが効けば問題ありませんか?
問題ないとは判断できません。
ABS警告灯は、審査事務規程に示されている異常表示の1つであり、継続点灯した状態では審査を受けられない可能性があります。通常の制動ができるように見えても、緊急時にABSが働かないおそれがあるため、整備工場で診断を受けてください。
バッテリーを外して警告灯を消せば車検を受けられますか?
おすすめできません。
表示が一時的に消えても、異常の原因が残っていれば走行中に再点灯・再記録される可能性があります。また、OBD検査の対象車では、電子装置の故障情報が確認される場合があります。原因の診断と修理を優先してください。
警告灯が点灯していなくてもOBD検査で不適合になることはありますか?
可能性はあります。
メーターパネルの警告灯の確認と、車両のコンピューターに記録された故障情報の確認は別のものです。警告灯が消えていることが、OBD検査の結果を保証するわけではありません。不安がある場合は、対応する診断機を備えた整備工場に相談してください。
車検当日に警告灯が点灯した場合はどうなりますか?
点灯した警告灯の種類によっては、審査時車両状態を満たさず、その日のうちに審査を進められない可能性があります。当日の対応は検査場や依頼先の判断によるため、その場の指示に従ってください。こうした事態を避けるためにも、事前の点検と見積もりをおすすめします。
記事のポイント
- 警告灯が点灯している場合、種類によってはそのまま車検の審査を受けられない可能性がある
- 審査事務規程では、前方・側方エアバッグ、制動装置、ABS、原動機の5種類の異常表示が示されている
- 始動時の自己診断による一時点灯と、始動後も続く継続点灯は区別される
- すべての警告灯が同じ車検上の扱いになるわけではなく、車種や年式によって表示の意味も異なる
- OBD検査の対象車では、警告灯の目視確認とは別に、電子装置の故障情報も確認される
- 表示だけを消すのではなく、故障診断で原因を確認することが大切
- 車検前に点検と見積もりを受けておくと、修理内容や費用を落ち着いて検討できる
参考資料
- 独立行政法人自動車技術総合機構「審査事務規程 第1章 総則」
- 独立行政法人自動車技術総合機構「審査事務規程」
- 国土交通省「自動車の電子的な検査(OBD検査)について」
- 国土交通省「OBD検査とは?(ユーザー向け)」
- 自動車技術総合機構「OBD検査について」
【免責事項】本記事は、警告灯と車検に関する一般的な制度や確認方法を紹介するものであり、個別車両の車検適合性、故障箇所、安全性を保証するものではありません。警告灯の意味や点灯条件は、車種、年式、仕様によって異なります。走行に異常がある場合や、警告灯が消えない場合は、車両の取扱説明書を確認し、販売店、認証工場、指定工場などに相談してください。最終的な車検適合性については、検査機関や車検を実施する事業者にご確認ください。
